おかげさまで創業50年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。
こんにちは。
営業の吉川です。
今回は築30年以上経過した鉄筋コンクリート住宅の
バルコニー改修の様子をご紹介します。
2000年に施行された住宅品質確保促進法(略して「品確法」)によって
新築住宅の「構造耐力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」(屋根やバルコニー、窓など)
の暇疵(いわゆる欠陥ですね)について、建てる側は最低10年間の暇疵担保責任が義務づけされています。
そんな背景もあって、現在建築されるマンションや住宅であればバルコニーにはしっかりとした防水性能を
持たせることが当たり前なのですが、数十年前なら「バルコニー防水」という考え方が定着しておらず、
当時建築された建物には、およそ「防水工事」とは呼べない「防水モルタル仕上げ」 のバルコニーも
よく見かけます。
この「防水モルタル」、名前には「防水」が付いていますが、モルタル(砂とセメントと水を混ぜる)に
防水材を加えた材料であって、「防水工事」として長期の保証が付くような仕上げではありません。
今回の鉄筋コンクリート住宅のバルコニーもこの「防水モルタル仕上げ」です。
年月が経ち、下地のコンクリート躯体からモルタル部分が浮いて、表面にはクラックが多く見られます。
バルコニーの改修方法にはいくつかあるのですが、今回はこのモルタル層を撤去せず、残したままで
その上から防水層を施工する方法で改修しました。
初めに、打音診断棒を使った「打音検査」で、モルタルが浮いている箇所を調べます。
そしてコンクリート躯体と浮いている防水モルタルの隙間にエポキシ樹脂を注入して一体化させます。
写真は振動ドリルを使って、注入用の孔を約20cm間隔で開けているところです。
次にエアダスター(スプレー式のホコリ飛ばしです)で、孔に残ったコンクリートの粉塵や埃を取り除きます。
粉塵が残っていると、エポキシ樹脂が広く浸透しないので念入りに除去します。
注入ポンプを使い、孔からエポキシ樹脂を注入します。
加圧注入することで、防水モルタル下の隙間にエポキシ樹脂が広がり、時間が経って硬化すると
コンクリートとモルタルが一体化するのです。
注入孔表面の処理をすれば、モルタル部分の浮きの処置は完了し、防水下地の準備ができました。
次に防水工事に取り掛かります。
クラックに詰まった埃や藻をスクレーパーという工具でケレン除去し、表面を平滑にします。
次にプライマーを塗布します。
プライマーは下地と防水材料との密着性を高める下塗り塗料のことです。
触れば白い粉が付くようなモルタル面が、塗ればベトベトになります。
今回の防水工事にはウレタン塗膜防水を採用しました。
粘性のある防水材料を、下塗り → 中塗り と塗布します。
排水孔まわりやサッシの下、立ち上がり部分は漏水しやすい部分なので特に念入りに施工します。
最後に仕上げとして、薄いグレー色のトップコートを塗って完成です。
ウレタン塗膜防水は、ゴムシートなどを貼るシート防水などに比べて、狭い場所や複雑な形状でも簡単に施工ができ、
つなぎ目の無いシームレスな塗膜面ができるので、改修工事で採用することが多い防水工法です。
また定期的にトップコートを再塗装することで15年程度の防水性能の保持が可能で、
将来の防水改修工事の際にも既存の防水層を撤去せずに上から塗り重ねることができるので、
工事費が安くなるメリットがあります。
ただしウレタンが硬化する際には水分を嫌うため、施工時の天候、気温には充分な配慮をする必要があります。
鉄筋コンクリート住宅を維持管理する上で、防水工事はとても大切な工事です。
「建物は、建ててからが本当のお付き合い」
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