2017.08.07

24時間計画換気システムで快適な空気環境を手に入れる

おかげさまで創業52年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。


みなさんこんにちは。
RCギャラリースタッフの松田です。


台風5号がやってきています。
近畿地方にはお昼過ぎから夕方頃に最接近するようです。


2017年8月7日台風5号進路
※ 気象庁HPより抜粋


台風5号は、速度がかなり遅く記録的な大雨になると予想されており、
河川の氾濫や浸水被害への注意が呼びかけられております。

今一度家の周囲を見渡して、屋外の背の高い鉢植えや飛散しそうな物は
固定するか家の中に移動しましょう。

どうぞくれぐれもご注意ください。

 


さて、本日取り上げるのは新築住宅には必須の『24時間計画換気システム』について。


1990年代の中頃、日本では住宅に使用される建材や接着剤に含まれるホルムアルデヒドや
揮発性有機化合物などの化学物質による 「シックハウス症候群」の増加が
大きな社会問題となっていました。


そこで国は2003年7月に建築基準法を改正し、新築住宅を建築する場合は
換気設備(=24時間計画換気システム)の導入が義務づけされることになりました。


「家のつくりようは夏をもってむねとすべし」(吉田兼好)

それまでの日本の住宅は高温多湿の夏を過ごしやすいように
断熱性能や気密性能よりも風通しの良さを重視した家づくりが主流でした。

それに昔の家は隙間だらけだったので、少々家の中に有害物質があっても
自然に換気がなされていたのです。

ところが建築技術が向上し、欧米並みに住宅の高気密・高断熱化が進むにつれて、
特に新築建物で頭痛や吐き気、めまいなど健康被害を訴える方が増えてきました。
これが「シックハウス症候群」です。

そこで国は2003年に建築基準法を改正し、これら人体に有害な化学物質を
機械的に強制的に排出する換気設備(24時間計画換気システム)の設置義務付け、
使用される建築材料のホルムアルデヒド発散速度区分や使用の制限がなされたのです。

現在は規模や工法に関わらず、新築住宅には必ず設置することになっています。

 

「24時間換気システム」は、従来の自然換気とは異なり、機械を用いて計画的に
外の新鮮空気を室内に取り込み、汚染された室内空気を屋外に排出します。

法改正から14年が経ち、「24時間計画換気システム」の言葉はご存知の方も多いと思いますが、
一口に24時間計画換気と言っても、「3つ」の換気方式があるのはご存知でしょうか?

24時間計画換気システム 「3つ」の換気方式

【第1種換気システム】

給気と排気、共に機械を使って行なう換気方式です。

換気機器を使って屋外から室内へ強制的に空気を取り込み、
室内から屋外へ強制的に空気を排出します。

吸気と排気どちらも機械でおこなうので、室内外の温度差や屋外の風の流れに左右されず
設計通りに最も確実に換気が行える方法です。

またこの「第1種換気システム」に外気温と室内温度の熱を交換する装置を組み込んだ
「熱交換型第1種換気システム」は、換気装置の上位グレードになります。

デメリットはコストが一番かかること。
ちなみに三和建設のRC住宅ではこの「熱交換型第一種換気システム」を標準仕様としています。
RCモデルハウス・RCギャラリー西宮にもパナソニック製の熱交換型換気システムを採用しています。

熱交換型第一種換気システム


RCギャラリー西宮の換気システムは給気時にフィルターを通してPM2.5や花粉をカットするので
室内の空気はいつも綺麗な状態です。

熱交換型の熱交換率は≒60~70%と云われています。
例えば、冬場の外気温0℃、室温20℃の場合、
温度差20℃×60~70% = 12~14℃
として室内に取り込むことになります。

 

【第2種換気システム】

給気に換気機器を使って室内を「正圧」にし、排気は自然換気をするタイプです。

第2種換気システム

室内の気圧が屋外よりも高くなるので、室内に塵やホコリなどが入りにくくなります。
そのため、病院の手術室や精密機器の製造工場などで採用される方式です。

ただし一般の住宅では、壁内結露が起こる可能性があるのでまず採用されることはありません。

 

【第3種換気システム】

給気は自然給気で、排気に換気機器を使って強制換気するタイプです。

換気機器を使って屋外から常に空気を室内に取り入れようとするので、室内は「負圧」になります。
 


第3種換気システム

第3種換気の一番のメリットは「コストが抑えられる」ことでしょうか。
新築住宅では最も採用されている換気方式となります。

ただ、自然吸気方式は屋外の風の向きで風量が左右されやすく、
夏場や冬場は外気がそのままの温度で入ってくるので、若干ですが室内温度にも影響を及ぼします。

 


今回は「24時間計画換気システム」について取り上げました。

24時間計画換気で求められる風量は、「2時間で家の中の空気が入れ替わる換気量」とされています。
でも室内の空気が一気に丸ごと入れ替わるわけではなく、その役割は
「室内の汚染された空気を影響のない値にまで新鮮空気で希釈する」
ことで、キッチンやお風呂の換気扇と違って意外に少量なのです。

例えば・・・

「よく焼肉をするのでダイニングに換気扇が欲しい」
「お線香の匂いがこもらないように仏壇の近く換気扇が欲しい」

といった場合には24時間計画換気とは別に「局所換気」と呼ばれる換気扇を設ける必要があります。

 

24時間計画換気システムは目に付く設備ではないので、重視されない設計者や建築会社も多いと聞きます。
予算との相談になるかとは思いますが、私たちは給気と排気を機械でおこなう【第1種換気システム】をおすすめします。

間取りや仕様、デザインはとても大切ですが、
人生の大半を過ごすことになる我が家の空気環境にも目を向けてほしいと思います。

 

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