2023.12.11

RC断熱改修には補助金があります!~効果測定レポートその②

おかげさまで創業58年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。

前回からの続きとなります。

昨年1月にRC外断熱改修工事を行った建物の効果測定を実施しました。
結果、エアコンを止めてから暖房なしで22時から7時の間の室温低下は
床から100cmの高さで5.5℃、床から10㎝で4.7℃とのデータを計測しました。
でも、この効果測定で得られたデータの数値の良し悪しは何を基準に評価すればいいのでしょうか?

評価を確認する為に、環境共創イニシアチブ(SII)より、令和5年9月に公表された
「次世代省エネ建材の実証支援事業の事業調査報告」に記載されている、
令和3年度と令和4年度の効果測定結果の集計を見てみることにしましょう。

令和5年度次世代建材の実証支援事業調査報告(5地域)2023年9月より引用

※環境共創イニシアチブ(SII)HP 令和5年度次世代建材の実証支援事業 事業調査報告2023年9月より引用

今回の測定地域と同じ5地域(主に関東、関西、中国、四国、九州の一部)の測定結果
(床から100㎝で計測)の平均値が算出されグラフ化されています。
この地域の平均の室温低下は7.1℃ということで、今回の効果測定により平均値より室温低下が小さい(5.5℃,4.7℃)事が確認出来ました。

令和5年度次世代建材の実証支援事業調査報告(4地域)2023年9月より引用

※環境共創イニシアチブ(SII)HP 令和5年度次世代建材の実証支援事業 事業調査報告2023年9月より引用

外気温が氷点下の4地域(宮城県、山形県、福島県、栃木県、新潟県、長野県)の室温低下を見てみると、外気温が低いので室温低下10.2℃と大きくなることが読み取れます。
平均UA値が0.43 W/㎡・kですが、今回、RC外断熱改修を実施した住宅の方がUA値は大きい(0.58 W/㎡・k)にも関わらず室温低下が少ない(5.5℃,4.7℃)結果となりました。

※外皮平均熱貫流率(UA値)
住宅の内部から外皮(床、外壁、屋根、天井、窓、その他開口部など)を通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。

「でも、家から逃げる熱が少ない方(UA値が小さい方)が、室温が下がりにくいのでは?」
なぜこのような結果になったのでしょうか?

ここで最も寒い1.2地域(北海道)の集計結果を見てみましょう。

令和5年度次世代建材の実証支援事業調査報告_(1・2地域)2023年9月より引用

※環境共創イニシアチブ(SII)HP 令和5年度次世代建材の実証支援事業 事業調査報告2023年9月より引用

1.2地域での室温低下は7.3℃となっていました。
この地域はほかの地域に比べて外気温が格段に低い為、超高断熱住宅が多く、そうでなければ室内の快適さを維持することが出来ません。その為、1.2地域よりも南に位置するはずの4地域よりも室温の低下が少ないという結果になりました。

では、今回5地域(兵庫県三田)で実施したRC外断熱改修の効果測定結果(床から100cmの高さで5.5℃、床から10㎝で4.7℃)が良かった(室温低下が少なかった)のはなぜでしょうか。

令和3年、4年の効果測定結果件数の大半は木造又は鉄骨造であると予想され、その工法の断熱性については構造体の柱間に断熱材を施すことで性能を確保する構成となっています。つまり断熱材の厚みや性能が建物性能に直結します。
しかしRC外断熱の場合はコンクリート躯体の外側に断熱材が施され、室内側に熱容量の高いコンクリート躯体がある為、室温が外気温に影響されにくくなっています。
また、コンクリート躯体は温度を溜める性質(蓄熱性)があり、この性質により室内の熱はいったんコンクリートに蓄熱された後、ゆっくりと放出されていきます。この時に放出される熱は「輻射熱」と呼ばれるもので、暖房器具のように直接的に暖かいものではありませんが、じんわりと人の体に温もりを伝え、同じ室温でも輻射熱のほうが暖かく感じられます。
そのため小さなエネルギーで効率よく暖房が出来るようになります。

今回の効果測定の結果より、RC外断熱工法ではコンクリートの性質である蓄熱性と輻射熱をうまく利用することで、超高断熱にこだわらなくても十分に快適な住空間の実現が可能となることが実証できました。

これから本格的な冬を迎えます。
外断熱仕様のRCギャラリー西宮モデルハウスでは、この快適な空間をご体感いただけます。
今回のブログでRC外断熱工法に興味をお持ちの皆さま、是非一度、ご見学にいらしてください!
スタッフ一同お待ち申し上げております。

前回の記事はこちらから→RC断熱改修には補助金があります!~効果測定レポートその①


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