おかげさまで創業48年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。
「その①」では単板のガラス製品について書きました。
今回は現在の「省エネ住宅」に欠かすことのできない「機能ガラス」について。
「機能ガラス」は、その構造によって7種類に分類されます。
【複層ガラス】
2枚の板ガラスの間に乾燥空気を封入し、空気層を設けることによって断熱性を高めたガラスです。
単板ガラスよりも高い断熱性能があり、結露を防ぐ効果が期待できます。
【高断熱複層ガラス】
LOW-E複層ガラスとも呼びます。上記の複層ガラスの性能をより高めたもので、
複層ガラスの空気層面室内側にコーティングされた特殊金属膜が、室外から日射熱を取り入れつつ、
室内の熱の放射を防ぎます。冬場の効果を期待する場所に採用されます。
【遮熱複層ガラス】
上記の「高断熱複層ガラス」とは反対側の空気層面室外側にコーティングされた特殊金属膜が、
夏の強い太陽熱を反射し、冬は室内の暖房エネルギーを反射します。オールシーズン対応で
省エネルギー効果が高くて、三和建設では全ての鉄筋コンクリート住宅に標準採用しています。
また、より断熱効果を高めるために、中空層にアルゴンガスを封入したものもあります。
【異厚複層ガラス】
防音目的で採用されることが多いガラスです。一方のガラスを3mm以上、他方を6mm以上としたガラスと
断熱構造のサッシを組み合わせることで、複層ガラスに起こりがちな中低音域の共鳴透過現象を
防ぐことができます。
【強化ガラス】
通常のフロート板ガラスを約700℃に加熱した後、急冷して製造することで、同じ厚さのガラスに比べて、
約3~5倍の強度を持つ「強化ガラス」となります。店舗の出入口ドアや車のフロントガラスも強化ガラス
です。万一、割れた場合でも、破片は粒状になるため、安全性の高いガラスと言えます。
【合わせガラス】
2枚の板ガラスの間に柔軟で強じんな中間膜(0.38mm)を挟み、熱と圧力を加えて接着させたのが
「合わせガラス」です。万一割れても、中間膜があるので破片が飛び散ることはほとんどありません。
一般住宅では、バルコニーのガラスパネル手摺にも採用しています。
【防犯ガラス】
「合わせガラス」のなかで、中間膜の厚みが0.76mm以上のものを「防犯ガラス」と呼びます。
中間膜が厚いため、突き破るのに時間がかかり、防犯性が高まります。でも、時間をかけたり、
熱を加えたりすると最後は破壊することができるので、防犯性をこのガラスの機能だけに頼るのは禁物です。
住宅用としては、30ミル(0.8mm)が一般的で、三和建設の鉄筋コンクリート住宅でも、一階部分で
面格子やシャッターの取り付けられない窓に多く採用しています。「防犯ガラス」はそれと分かるように
ステッカーが貼ってあるので、抑止効果も期待できます。また、複層ガラスの一方に防犯ガラスを採用した、
「防犯複層ガラス」もあります。
ちなみに・・・
アクション映画の中で、ビルの高層階から、ヒーローが窓に飛び込んで、外へ脱出するシーン。
手に汗握る場面ですが、実際にはあり得ない話ですね。
高層階の窓や手摺りのガラスは衝耐撃や耐風圧を計算して、非常に厚いものが採用されています。
現在では、飛散防止フィルムが貼ってあったり、合わせガラスや強化ガラスが使用されているので、
いくら屈強な主人公といえども体当たりした程度では、簡単には割れないはずです・・・
あくまで映画の中のおはなしです。
※前回の記事はこちらから→ガラスのはなし~その①
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