2015.03.27

「なにか出るかな?」ハラハラドキドキ埋蔵文化財発掘調査 その①

おかげさまで創業50年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。

こんにちは。
営業の松井です。

午前中はまだ少し肌寒い日が続いていますが、これから日中は20℃を超える日が続くようです。
そんな中、先日私が担当する神戸・住吉宮町のマンションで、オーナー様ご家族もお揃いになって、
上棟式を執り行いました。

「なにか出るかな?」ハラハラドキドキ埋蔵文化財発掘調査 その①三和建設のコンクリート住宅_blog 鉄筋コンクリートの家 宝塚

こちらのマンションの完成は5月上旬の予定です。
ご主人様は何度も現場に来ていただいていますが、ご家族の方々はこの日はじめて現場をご覧いただきます。
鉄筋コンクリート造3階建てマンションの進行中現場に、興味津々のご様子でした。

現場ではお引き渡しも迫っており、また平日ということもあって上棟式といえども大勢の職人さんが
自分の持ち場で作業を進める中での式典となりました。

 

話しは工事着手前にさかのぼりますが・・・

賃貸マンションの場合、事業主が気になるのは入居開始日です。
一年のうち、転勤や異動、入学などで引越しが多いのが3月。
こちらのマンションも当初の予定では入居希望者が多い3月末の竣工を目指して
申請や設計作業を進めていました。

ところが着工する直前に思わぬ障害?があって、
否応無く工事着手と竣工時期がずれ込むようになったのでした。

その障害?がこちらです↓
「なにか出るかな?」ハラハラドキドキ埋蔵文化財発掘調査 その②三和建設のコンクリート住宅_blog 鉄筋コンクリートの家 宝塚

 

なんだかお分かりでしょうか?
こちらは計画地の土の中から発掘された古墳時代(3世紀中頃?7世紀頃)の土器(須恵器)です。

計画地周辺は「住吉宮町遺跡」に指定されていて
弥生時代中期・末期の竪穴住居や前方後円墳と古墳時代後期の古墳群が発見されています。

「なにか出るかな?」ハラハラドキドキ埋蔵文化財発掘調査 その③三和建設のコンクリート住宅_blog 鉄筋コンクリートの家 宝塚
(神戸市のHPより)

ネットで調べてみると、この地域では早くから市街化が進んだために遺跡の存在が知られたのは
つい最近(1985年)のことでした。利便性の良い地域ですから、古くから人が居住していたために
遺跡として意識されていなかったのだそうです。

こうした遺跡がある場所(埋蔵文化財包蔵地に指定されている地域)において建築工事などで土地を掘削する場合
には工事の種別・構造・規模の大小にかかわらず、文化財保護法に基づく届出通知の提出が必要になります。

要は、土中に眠っている歴史的な価値のある埋蔵物を、建築や土木工事によって傷めたり破壊したりしないような
手順が定められているのです。

以下は神戸市の教育委員会文化財課さんの「手続きの流れ」に、今回の経過を赤囲いで書き込んでみました。

「なにか出るかな?」ハラハラドキドキ埋蔵文化財発掘調査 その④三和建設のコンクリート住宅_blog 鉄筋コンクリートの家 宝塚

この一連の埋蔵文化財の届出から発掘までの作業ですが、工事をおこなう側としてはちょっと複雑な心境です。
今回は試掘調査の結果をもって建物の基礎を見直し、工事工程が一ヶ月あまりずれ込みましたが、
もし遺跡や貴重な文化財が発見されたのなら 試掘 → 本掘 となり、さらに日数を要することになります。

 

そして・・・

あちらこちらで書かれていますが、なんとこの掘削の費用、調査の費用は原則すべて建て主負担なのです。

「工事も遅れて大変なのに、掘削調査の費用まで負担せよとは・・・」

事業主であるお客様にこの内容を伝えると、およそこんな言葉が返ってきます。

「法律でそうなっていて、遺跡はみんなの財産だから仕方がない」
そう納得するしかないのでしょうか・・・

ちなみに神戸市では、埋蔵文化財の発掘調査費用について個人事業者や零細事業者向けに
補助金が適用される制度がありますが、こちらも満額補助ではありません。

 
 ※続きはこちらから↓
 「なにか出るかな?」ハラハラドキドキ埋蔵文化財発掘調査 その②

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