おかげさまで創業50年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。
ともあれ住吉宮町のマンション現場では埋蔵文化財の試掘調査がはじまりました。
ちなみに試掘調査の段階では事業主への費用負担はありません。
教育委員会の担当者立会いの下、ユンボで地面を掘り返します。
今回の調査では、敷地内で計3ヶ所を試掘しました。
「なにか出てきたら・・・大変・・・だなあ・・・」
そんな気持ちとはうらはらに、今回発掘されたのがこちら!
試掘調査の結果、地表から約1.6m以深に古墳時代後期の土器類が発見されました。
建築の全体スケジュールを重視していたオーナー様も私も、地面じゃなくて思わず空を見上げました。
しかも出てきた地層は結構浅い・・・
1000年以上も前のものなので、もっと地中深くに埋まっているのかと思っていましたが、
掘り出してすぐの深さに驚きました。
この土器(須恵器)ですが、市の職員の方からいただいた資料によると、
完成形はこんな感じだそう。
この地で1000年以上も昔、こうした器を自ら作り、水や食料を保存していた先人たちの生活に
しばし思いをはせる・・・
「うーむ・・・」
残念ながら学識のない私にはそんな思いは浮かばず、「工事がこの先どうなってしまうのか?」
とても気になって仕方がありません。
調査を終えて数日後、教育委員会より回答書が届きました。
試掘調査の結果、本格的な発掘調査が必要となると多大な費用と時間を要すると
あらかじめ聞いていたので、青ざめました。
でもその後に神戸市教育委員会の方と協議した結果、今回の計画では発掘された地層に影響しない
掘削と基礎計画とすれば、工事は進めてもかまわないことになり、構造計算に基づく基礎形状の変更を
おこなうことで解決することができました。
変更した基礎計画がこちらです。
埋蔵物を掘り出さなくても、傷つけずに保存できれば良いわけですね。
ほっと胸をなでおろしたのでした。
結果的には時間を要しましたが、オーナー様の費用負担もなく工事を進めることができました。
ただ当初予定の3月末竣工は延ばすしかなく、現在に至っております。
戸建て住宅はもちろんですが、事業性の高い建物の場合には事前にこういった要素を見越した
計画を立てるべきだと、あらためて学んだ次第です。
※前回の記事はこちらから↓
「なにか出るかな?」ハラハラドキドキ埋蔵文化財発掘調査 その①
※続きはこちらから→“住吉宮町マンション”改め、“ARUKAS”まもなく完成!!
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