おかげさまで創業54年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。
こんにちは、RCギャラリースタッフの山田です。
RCモデルハウスのあるここ阪神間では、
このところ寒さが緩み、昨日などは日中コートがいらないくらい暖かでした。
予報によると、明日は3月下旬並みの暖かさだそうで、ここ数日で一気に春めくとの事。
今年は春の訪れが早そうですね。
そうなると、ちょっと早いですが桜の開花時期も気になるところです。
さて・・・
鉄筋コンクリートのモデルハウスを案内中に時々頂く質問。
「あの丸いのは何ですか?」
コンクリートの打ちっぱなし壁を見てみると、
規則正しい間隔で丸い形が並んでいますよね。
通称「セパ穴」と呼ばれるこの丸い穴。
コンクリートの壁を造る上で欠かせないものなのです。
本日は「セパ穴」についてお伝えしたいと思います。
コンクリートの壁を造るには型枠を組んで、その中にどろどろのコンクリートを流し込む訳ですが、
コンクリートを型枠に流し込んだ時、中から外に向けて強い圧力が生じます。
均一な厚みの壁を造る為、型枠と型枠の間隔を固定するのに必要なのが、
こちらのセパレーターと呼ばれる金属の部品。
Pコンは型枠とセパレーターをつなぐ為の部品です。
コンクリートが固まったら、セパレーターは壁の中に残りますが、
Pコンは外から取り除くことになります。
セパ穴というのは、Pコンを取り除いた時に跡になって残る穴の事なのです。
どういうことかというと・・・
①まずセパレーターで壁の厚みを決めます。
②セパレーターにPコンを取り付けます。
③型枠と型枠の間にPコンを取り付けたセパレーターを取り付けます。
下の写真はコンクリート打設前の型枠内にセパレーターが配置されている様子。
コンクリートの圧力と重みで壁の厚さが変わらないよう、間隔を均一に保ってくれています。
(基礎部分 コンクリート打設前)
コンクリートが十分に硬化したら、「脱型」(だっけい:型枠を外す工程)するのですが、
打設前に設置したPコンはすべて取り除いて回収します。
Pコンを取り除いた跡が「セパ穴」です。
穴の中央に金属のセパレーターの端っこが見えますね。
屋内(ビルトインガレージや室内)であれば、セパレーターの端っこ部分に、
ねじ込んで取り付けられる「Pコンフック」と呼ばれる部品を取付けて、
絵をかけたり、上着を掛けたりしてセパ穴を活用することが出来ます。
ちなみに、テレビなどの重量のあるものは、コンクリート壁にドリルで穴を開けて
“アンカー”と呼ばれる専用の部品を取り付けて設置する必要があります。
セパレーターは鉄製なので、屋外では雨で錆びてしまいます。
また壁を貫通しているので、放置していると雨水などが伝わって、
漏水の原因にもなることから、「セパ穴」にモルタルを詰めて止水の処理をします。
街中などで建物をよく見ていると、「あれは何だろう・・・」と
疑問に思うことがありますが、調べていくと納得の理由があります。
ちょっとしたウンチク話になりましたら幸いです・・・。
※関連記事→コンクリート打ちっ放し仕上げといえば「セパ穴」
兵庫・大阪で建てる高品質&デザインRC注文住宅。
「ビルトインガレージのある家」「屋上テラスのある家」「耐震住宅」をRC住宅で叶える。
宝塚・尼崎・西宮・芦屋・神戸の鉄筋コンクリート住宅なら三和建設。