こんにちは。監督の井上です。
鉄筋コンクリートの建物では、コンクリートの打設の前に、
搬入されるコンクリートの受け入れ検査をおこないます。
受け入れ検査とは現場に運ばれてきたコンクリートの品質が、
発注した条件にきちんと適合しているかどうかを確認する検査です。
受け入れ検査では、次の項目を検査します。
スランプ
固まる前のコンクリート(生コンクリートと呼びます)の流動性を示す値です。
値が大きいほど流動性が高いことを表しています。許容差が決められていますが、
それを超えるとコンクリートの品質低下を招きます。
スランプコーンと呼ばれる筒にコンクリートを入れ、一気に抜き取ります。
そしてコンクリートの頂部から沈んだ高さを計測します。
塩化物量
許容値を越えて含まれる塩化物は、コンクリート中の鉄筋を錆びやすくするので、
数値(4.5%、許容値 ±1.5%)が定められています。
「カンタブ」と呼ばれる塩分測定の試験紙で測定します。
空気量
空気量は、生コンクリートの流動性に影響を与えます。値が大きいほど流動性が高くなり、
作業性は増しますが、空気量にほぼ比例して圧縮強度は低下するので、注意が必要です。
容器にコンクリートを数回に分け、入れては突くを繰り返した後、密閉して計測します。
圧縮強度試験
受け入れ検査時にコンクリートを取り分けて、直径10センチの円筒形の供試体を作り、現場で
養生した後、数日後に設計図どおりの強度が確保されているか、圧縮強度試験をおこないます。
1週間後、4週間後の圧縮強度試験結果は、報告書として保管しています。
受け入れ検査の様子も、記録として写真に残しています。
私も一緒にパチリ。
鉄筋コンクリート建物は、検査でコンクリートの品質を確認してから
コンクリート打設工事を始めます。
堅牢で耐久性のある、美しいコンクリートを造るためには、
欠かせない検査なのです。
さてさて・・・
現場のある神戸元町駅近くでは、12月6日(木)から17日(日)まで、
「神戸ルミナリエ」が開催されています。
せっかくなので、仕事終わりに行ってきました。
12月のキンと冷えた空気の中、厳かに闇を照らすルミナリエの灯りに、
これまでも、これからも続く人間の営みへの夢と希望を見るような気がします。
『神戸ルミナリエ』は、阪神・淡路大震災で亡くなった犠牲者の鎮魂の意と、
都市の復興・再生を願って、1995年の12月より開催されています。
今年で18回目を迎える『神戸ルミナリエ』。
今年の作品テーマは『光の絆』とのこと。
震災発生当時、私はすでに三和建設で現場監督をしていました。
三和建設のある宝塚では、ここ神戸ほどの大きな被害はありませんでしたが、
隣接する西宮や川西、伊丹では建物の被害も多くて、
情報が錯綜する中、休み返上で走り回っていたのを思い出しました。
あの時の光景を思い出す度に、建築業に従事する責任を痛感しています。
※前回の記事はこちらから→神戸元町マンション建築中 ~1階壁2階床コンクリート打設
※続きはこちらから→神戸元町マンション建築中 ~最上階コンクリート打設完了
「ビルトインガレージのある家」「屋上テラスのある家」「耐震住宅」をRC住宅で叶える。
宝塚・尼崎・西宮・芦屋・神戸の鉄筋コンクリート住宅なら三和建設。