2016.08.25

RCで創るテナントビル・・・悩ましいぞ「船場建築線」

おかげさまで創業51年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。
  

近畿地方は、25日も各地で猛烈な暑さになっています。

RC造4階建てテナントビルの現場のある大阪市内では、
8月中の猛暑日の日数が観測史上、最多を更新したそうです。

明日26日も、大阪は36度を超えると予想されていて、
受注した案件をカタチにしていく現場の人たちには頭が下がります。

そんな暑い中でも着々と進んでいる現場リポートを、
担当の松井がお届け致します。

 

現場の工程は、特殊基礎工事(杭工事) → 基礎工事と予定通り進んでいます。

訪れたこの日は基礎工事が完了し、1階壁に用いる型枠材料が現場に搬入されていました。

1階壁に用いる型枠材料が現場に搬入

建物の裏側は、敷地境界線一杯まで隣接する建物が迫っています。
今回のテナントビルでは、ライフライン(水道やガス、電気)や排水管を建物の裏側にまとめました。

ライフライン(水道やガス、電気)や排水管を建物の裏側

基礎の一部には25cm程度床が下がっている部分があります。
これは入居するテナントが入れ替わった時に、床下で配管を自由に取りまわし出来るように
するための措置です。

基礎の一部には25cm程度床が下がっている部分

床下で配管を自由に取りまわし出来るように

 

こちらの現場は大阪市中央区にあり、【船場建築線の指定】を受けている区域となります。

船場建築線の指定

建築線が指定されている街区では、前面道路の中心線から5Mまたは6Mの範囲は
自分の敷地内であっても建物を建てることが出来ません。

今回の敷地も指定区域内となっており、私も幾度となく行政へ出向きました。
下の矢印部分が後退部分です。

下の矢印部分が後退部分

 

「ああ・・・もったいないなあ・・・」

建築線の話を聞いた時の、私の率直な感想です。
ただ、建物は建てることは出来ませんが、地面に任意の仕上げをすることは可能なので、
今回は少し段差を設けてタイルを張る予定です。

都市計画の観点からすると、建築線により全ての建物が後退することで歩行者空間が確保され、
景観上はもちろん、防災上も安全な街並みを作る狙いがあります。

全体感から言いますともっともな話しですが・・・

大阪市内は地価が高く、高額な固定資産税を納税しているオーナーにとっては
少しでも土地を有効活用(=テナントさんに貸す面積を広げて賃料を高くしたい)したいはずです。

でも、建築線によって街並みがきれいになって、人がたくさん集まるエリアになるなら
テナントさんも入るでしょうし、それはそれでオーナーさんにとっても喜ばしいことなのです。

 

※続きはこちらから→ RCで創るテナントビル・・・大阪市内で進行中!

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