2018.03.18

苦楽園のRC住宅 現場レポート・・・「FS」や「FG」って何?

おかげさまで創業53年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。

こんにちは、RCギャラリースタッフの松井です。

今回も、ただ今工事中の『苦楽園のRC住宅』現場リポートをお伝えします。

【3月9日撮影】
 捨てコン※1墨出し※2 作業も完了し、基礎の配筋工事に取り掛かっています。

※1 基礎の鉄筋施工前に、作業面を平滑にするために前処理として打つコンクリートのこと。
※2 構造躯体(地中梁や壁など)の中心線や外枠の位置など、工事の基準となる線を床面に記すこと。

基礎配筋①

写真奥がビルトインガレージのスペースとなります。
1階部分は、ガレージと居室で構成されていることから、床仕上げ高さを変えています。
そのためRC構造躯体であるスラブ(耐圧盤)※3 や地中梁にも段差を設けた設計となっています。

※3 建物の垂直荷重を地盤へと伝えるため、地面に接する面に設けるコンクリートの床版(スラブ)。

 

軸組図

基礎伏図

 

上図は、コンクリートの躯体を現した構造図ですが、「FS2」や「FG5」といった
記号が並んでいます。
建築に精通した方なら「言わずもがな」なのですが、あらためて解説してみます。

  : 大梁を表す記号。Girder(ガーダー)の頭文字。
  : 床を表す記号。Slab(スラブ)の頭文字。
 : 基礎を表す記号。Footing(フーチング)の頭文字。
FG : 基礎梁(地中梁)を表す記号で、基礎を表すと、梁を表すを組み合わせた記号。
FS : 基礎スラブ(耐圧版)を表す記号で、基礎を表すと、床を表すを組み合わせた記号。

構造計算により、各部のサイズや鉄筋径・間隔は異なります。
同じFSでも、FS1FS2では配筋の仕方が違うので、三和建設では「ついうっかり」がないように
捨てコンに記号を記しています。

地中梁

記号の下にある矢印は、耐圧版の主筋 ※4 方向を示しています。

※4 鉄筋コンクリート構造の柱や床・梁で、主に引張力を負担する鉄筋。

コンクリート床の主筋は、梁で囲われた長方形の短辺方向に流すことが一般なのですが、
例えば正方形に近い場合や、ごく稀に長辺が主筋なんてケースもあります。
こうして床に方向が書いてあれば、鉄筋工の職人さんも間違うことはありませんね。

※残念ながら、この後の耐圧版の鉄筋組み写真を撮り忘れました・・・すみません。

【3月18日撮影】
基礎コンクリート打設後の状況です。

基礎コン①

基礎コン②

コンクリートを打設してしまえば、もう鉄筋の様子は見ることができません。
だからこそ、配筋の段階でのチェックや検査が重要となります。

現場は、工程通り順調に進んでいます。

RC造は充分な養生期間を要しますので、躯体完成までには時間が掛かります。
この点は鉄骨造や木造に比べて、デメリットだと思います。
建替えの場合には、仮住まいの日数も余計になります。

ただし、現場の技術者たちは『強固で長持ちする家』を創り出すために、
技術者としての誇りをかけて、細心の注意を払いながら作業を進めています。

※前回の記事はこちらから→ 苦楽園のRC住宅・・・工事が始まりました!
※続きはこちらから→ 苦楽園のRC住宅 現場リポート・・・「1階コンクリート打設完了」


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