おかげさまで創業58年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。

RCギャラリー西宮スタッフの市中です。
兵庫県西宮市では1年で一番寒い時期が例年1月末から2月初旬となっておりますが、
今年は1月24日に今シーズン1番の寒波が襲来しました。
冬日とは「日最低気温が０℃未満の日」のことを いいますが、その日の最低気温は-0.5℃とまさに
冬日らしい非常に寒い日でした。
思い返すと、ちょうど昨年の今頃、兵庫県三田市にてRC外断熱改修後の建物性能を検証するために
効果測定を行いましたが、今と同じような寒い時期でした。
※その時の様子はこちらのブログからどうぞ

2/11（祝・日）と2/25（日）に、「RC住宅断熱リノベセミナー」を開催しますが、
開催場所となるRCギャラリー西宮モデルハウスも外断熱仕様となっています。
「そういえば、モデルハウスってどの程度の断熱性能が確保できているのだろう？」
検証の為、モデルハウスの効果測定を行ってみました。今回そちらの模様をレポートしたいと思います。

RCギャラリー西宮モデルハウスはRC壁式構造（WRC）の外断熱仕様で、
2階建て+PH（ペントハウス）階の延床面積約53坪となります。
測定日時は令和6年1月29日22：00〜1月30日7：00にかけて行いました。
基本の測定要領は断熱改修補助事業と同じ方法で行いました。
※こちらのブログをご参照ください。

RCギャラリー西宮モデルハウスの断熱性能等級は4相当。6地域区分です。
断熱材は外壁面外断熱としてエコサーム断熱厚50㎜、屋上床スラブ外断熱として断熱厚50㎜、
窓はビル用アルミサッシペアガラスの仕様となっております。

測定方法は、エアコンを18時から22時まで22℃設定で4時間稼働させたのちに停止し、
その後1時間おきに計10回の夜間の室内温度を測定となります。
測定場所は1階リビング中央部の床から100㎝と10㎝の高さに測定器を設置しました。
屋外は2階のウッドデッキブリッジに設置しました。

エアコンは1階リビングの天井埋め込式エアコン1台、2階寝室にルームエアコン1台、子供室にルームエアコン1台と合計3台の配置で同時に可動させました。

結果はいかに・・・？

※環境共創イニシアチブ（SII）効果測定報告書　定型様式より引用（データ：三和建設にて採取）

22時から7時にかけて1階リビングの床から100㎝で20.7℃から15.1℃に低下しました。夜間の室温低下は5.6℃でした。

検証の比較対象として2023年9月に一般社団法人環境共生イニシアチブより報告された次世代省エネ建材の実証支援事業の事業調査報告書に表記されております効果測定結果を確認しました。

※環境共創イニシアチブ（SII）HP 令和５年度次世代建材の実証支援事業　事業調査報告2023年9月より引用

※12月のブログで効果測定を行った兵庫県三田市は、省エネ基準の地域区分の5地域に該当しましたが、今回測定した西宮市は
6地域に該当する為、6地域区分の測定結果と比較します。地域区分は同じ県内、また関西圏内でも市区町村によって異なります。
※上図の効果測定結果は木造・鉄骨造・RC造の結果を合わせたデータとなっています。

上図のデータの性能等級は5で夜間の室温低下は7.9℃となっています。
モデルハウスの断熱性能等級は4ですので、性能等級は劣るものの、実際の夜間の室温低下を比べると、モデルハウスでは5.6℃、検証結果報告書では7.9℃とモデルハウスの方が室温低下は緩やかである事がわかりました。

気象庁HPのデータによりますと、1991（平成3年）〜2020（令和2年）の神戸市の1月の平均最低温度は3.1℃、今年の1月は4.1℃でした。
測定期間の最低気温が朝7時で4.0℃でしたので、今年1月の平均最低温度とほぼ同じとなります。
上図の気温の方が低い状況での結果ですので環境の違いがありますが、神戸にほど近い西宮地域では平時の環境となりますので結果としては現実味があります。
ここでもRC住宅外断熱の性能はコンクリート躯体の蓄熱効果が発揮されていると考えられ、RC住宅は一旦温まると冷めにくく、木造、鉄骨造と違った室内環境が生み出されることがご理解いただけたのではないでしょうか。

比較対象の効果測定結果の計測環境に近づけるべく、今度はもう少し気温の低い時期に再度測定を行いまして、引き続き結果の確認を行いたいと思います。
そちらの結果は2月のRC住宅断熱リノベセミナーなどでまたお伝えさせていただけたらと思っています。

セミナーではこのようなRC住宅の性能についてお話させていただく機会となります。
ご興味のある方はRCギャラリー西宮モデルハウスでのご体感を含め、ご参加をお待ち申し上げます。