おかげさまで創業50年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。
こんにちは。
営業の吉川です。
今回は建物の西日対策について書いてみます。
方角毎で、皆様が持つ陽差しのイメージは次のような感じではないでしょうか?
「西日」と聞くと、「夏は暑い」、「家具や床が色褪せてしまう」など、不快な印象をお持ちだと思います。
では、そもそも西面の陽差しは本当に一番「暑い」のでしょうか?
ある実験で、屋根と東西南北それぞれの日照りによる受熱量を一年間調べました。
結果は、一番が東面、二番目が屋根面だったそうです。
その後、南面、西面、北面となったとのこと。
あくまで受熱量の比較になりますが、この実験だと西面は、東面、南面よりも本当は暑くない
という結果になります。ちょっと意外な気がします。
※実際の家では、周辺の環境や隣家の影響もあるはずなので、あくまで参考に・・・。
日中の最高気温が35℃を超える猛暑日の午後・・・
夕方の時間帯なのに気温はいっこうに下がる気配もなく、
家に帰れば、部屋の中はうだるような熱気がこもっていてうんざり・・・
「そんなこと言ったって、西日はやっぱり暑い!」
これはどなたも異論のない意見でしょう。では、なぜ実験の結果と実際がこうも違うのでしょうか?
実験結果は日照による受熱量だけを調べています。
しかし、人が「暑い」と感じるのは、太陽から直接受ける直射熱(日射熱)だけではありません。
日射熱によって地面や周辺のモノが暖められて、これらから発する輻射熱によって、
身体自体が熱を発することで暑さを感じるのです。
猛暑日が続く夏場でも、早朝は過ごしやすいはずです。
ただ太陽が昇り、時間が経過すると気温はグングンと上昇し始めます。
気温は日照によって、地面が暖められることによって上昇します。
こうして太陽が昇ってから日中にかけて地表面の温度が上昇するに伴って
気温も上昇し続け、午後2時前後にはピークを迎えます。
つまり太陽が西に傾く夕方頃は、地面も気温もそうですが、
地上にある様々な物たちも最大の熱量を持つことになり、
家の中も最も暑くなるはずです。
その夕方の時刻に出ているのが西日であることから、感覚的に
「西日のせいで部屋が暑い!」
となるわけです。
それでは、西日の効果的な対策方法はというと・・・
とにかく太陽からの直射熱(日射熱)が室内に入らないような対策が効果的です。
一般的には、窓を断熱サッシとする、窓上に庇やオーニング(テント)を付ける、
日中はすだれやよしずを設けたり、雨戸やカーテンを閉めておく・・・などでしょうか。
敷地条件にもよりますが、外構工事で落葉樹を植えたり、高い塀や柵を設けるのも効果的です。
でも、最も効果的なのは・・・
「窓を設けない」
ちょっと乱暴ですがこれに尽きると思います。
とにかく日射熱の進入を防ぎ、室内にある物体の温度が上がらないようにします。
大きな窓からは日射熱が入るだけでなく、室内からの熱損失も生まれます。
いくら窓に高性能な断熱サッシを採用したとしても、断熱材で覆われた壁と比べると
断熱性能は1/4から1/3程度まで低下してしまうのです。(熱貫流率換算)
ただ、実際には採光も必要ですし、敷地配置や間取りによっては窓を設けたほうが
「心地いい」住まいになるかもしれません。そのあたりのあんばいは設計士さんのさじ加減なのでしょうが、
家の断熱性能だけを考えると、「不必要に大きな窓は設けない」ほうがいいことになります。
快適で住み心地のよい空間つくりや、建物を長持ちさせるご提案についても、
私たちにぜひご相談ください。
※前回の記事はこちらから→いまさら聞けない、「建ぺい率」「容積率」って何? その②
※続きはこちらから→いまさら聞けない “構造計算”ってどんなことするの?
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