おかげさまで創業50年。私たちは兵庫・宝塚の鉄筋コンクリート技術者集団です。
「お寒うございます」
今日の空模様は曇り空。
日中の最高気温も10℃前後までしか上がらず、
会社の事務所にいると、底冷えがします。
こんな寒い日でも、現場は着々と作業を進めています。
今回も西宮夙川マンション現場の様子を、宝塚展示場スタッフの吉川がお届けします。
ここで、ブログをご覧のみなさんに質問です。
Q: 「鉄は火に強い?弱い?」
いかがでしょうか?
答えは後ほど・・・
現場では外壁のALCパネル施工も一段落し、次の工程として鉄骨部分の「耐火被覆」をおこなっていました。
一ヶ月前の建て方完了直後はこんな感じでしたが・・・
耐火被覆の施工後はこうなっています。
西宮夙川マンションは鉄骨造3階建。
建築基準法で求められる耐火被覆の厚みは、柱・梁共に25ミリの厚みとなっています。
耐火被覆の材料は、ロックウール(粒状綿)とセメント(硬化剤)です。
現場において二つの材料を混ぜ合わせ、各階に圧送して吹き付けています。
ロックウールは軽量で耐火と断熱と吸音性に優れており
吹き付けることによって複雑な形状の鉄骨にもつなぎ目のない被覆を形成することができます。
鉄骨造の建物によく見られる「耐火被覆」ですが、
木造や鉄筋コンクリート造では見かけることはまずありません。
いったいどうしてなのでしょうか?
日本は地震大国で、建物の耐震性能はとても重要なのですが、
都市部で怖いのはその後に起こりうる「火災」なのです。
建築基準法には建物の用途や階数に応じて、「耐火・防火性能」に関することが
細かく定められています。
通常の火災に対して、外壁が耐える時間で分けられていて、
20分程度が「準防火性能」、
30分程度が「防火構造」
となり、一般的な木造住宅は「防火構造」となっています。
さらに時間を延長し、45分や1時間としたものが「準耐火構造」、
1時間から3時間としたものが「耐火構造」となります。
ランクが最上位の「耐火構造」のほとんどが、鉄筋コンクリート造や耐火被覆を施した鉄骨造です。
建物が火災になった時の室内温度は、最盛期には600~900度近くまで上がるといわれます。
悪条件が重なれば1200度近くにまで達するそうです。
「木材は燃えるけれど、鉄は燃えない」ことから、
「鉄は火に強い」と思われがちですが、実は鉄骨自体は熱に弱い建築材料なのです。
鉄骨は耐火被覆のないままでは350~500度以上に達すると次第に軟化し、
本来必要な建物強度を保てなくなってしまいます。
そこで鉄骨造は、建物の用途や階数に応じて適切な耐火被覆を施すことで、
熱に弱いといった弱点を補っているのです。
ちなみにコンクリートと鉄筋を組み合わせた鉄筋コンクリート造は、
構造躯体そのものが「耐火構造」のため耐火被覆を必要としません。
それぞれの工法毎に長所や短所があり、ひと言では表現できない特徴があります。
建築を知れば知るほど、「○○造は○○造よりも優れている」といった言葉を聞くと、
「浅いよなあ・・・」
と思ってしまうのです。
※前回の記事はこちらから→西宮夙川マンション建築中・・・外壁にはALCパネルを取り付けます
※続きはこちらから→内部造作工事やってます!・・・西宮夙川マンション建築中
※西宮展示場レポートはこちらから→西宮に新しい「RCの家」モデルハウスがオープンします!!
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